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名古屋市の特殊事情

日本では国民の約3割がペットを飼育し、生活に欠かせない存在になっています。そのため、多くの自治体が犬猫の「殺処分ゼロ」施策を進めた結果、平成21年度までの11年間で、猫の殺処分数は約6分の1にまで減少しました。

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減少の要因は動物愛護法の改正

 

11年間中、減少幅が最大だったのは平成24年度から25年度にかけての19%減で、これは平成24年の動物愛護法改正により、自治体が動物取扱業者や飼い主からの引取りを拒否できるようになった影響が大きいと言われています。

ところが、名古屋市の推移は全国と異なり、平成23年度から24年度にかけての減少幅が最大で、ー48%とほぼ半減しています。

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また、「猫の引取数」も-43%と同様の減少が見られることから、「殺処分数」の減少は「引取数」減少の結果と言えそうです。では、なぜ名古屋市では平成23年度から24年度にかけて「猫の引取数」が急減したのでしょうか?

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猫の引取り有料化のインパクト

実は、名古屋市は平成24年度に犬・猫の引取り窓口を16保健所から動物愛護センターに一元化した上で、引取りを有料化しました。

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これについては調査データが存在しないため断言はできませんが、引取数にこれほど大きなインパクトを与える要因が他に見受けられないことから、保護猫関係者には、引取りの有料化が引取数減少の主因と考える人が少なくありません。

では、本当に「のら猫」は減っているのか?

のら猫については学術的な調査データが乏しいため、「のら猫」の増減を正確に知ることは困難ですが、その増減を伺わせるデータは存在します。それが【弊獣数】(へいじゅうすう)です。

弊獣」とは事故や病気などで死亡した動物のことで、【弊獣数】は当局によって回収された動物の死体の数を指します。猫の場合、交通事故などで死んだものが大部分を占めるため、自治体によっては「路上死」や「交通事故などによる死体の回収頭数」としている所もあります。

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交通事故死する猫は、殺処分される猫の22倍

上のグラフを見て、おそらく皆さんは2つのことにお気づきでしょう。一つは猫の【弊獣数】が殺処分数より遥かに多いこと。そしてもう一つは、平成24年の【弊獣数】が「殺処分数」「取引数」と違い、むしろ増加していることです。

 

昨今、犬猫の「殺処分ゼロ」を目標とする自治体は少なくありませんが、猫の「殺処分数」より【弊獣数】のほうが22倍(令和2年度)も多いことは、一般にほとんど知られていません。花の木シェルターでは、まず、この事実を一人でも多くの方に知っていただきたいと考えています。

 

また、【弊獣数】と合わせてご覧いただきたいデータがあります。それが「なごやかキャットの避妊・去勢手術費用の助成件数」です。

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【TNR】とは、T=TRAP(つかまえる)、N=NEUTER(不妊手術する)、R=RELEASE(元の場所に戻す)の頭文字で、今以上に野良猫を増やさないため、捕まえて不妊手術(メス猫の避妊、オス猫の去勢)を施した上で、元いた場所に返す取組のことです。

 

名古屋市は、市民が地域猫やのら猫のTNR活動を行う場合、実施者の自己負担額が避妊手術(めす)4,000円、去勢手術(おす)2,000円になるよう支援する「なごやかキャット助成制度」を平成25年に新設しました。

 

この制度に基づき、名古屋市・市民・保護猫団体が協力してTNRに取り組んだ結果、実施件数が着実に増加し、TNRの増加に伴って【弊獣数】が減少するという良循環が生じています!

TNRで【のら猫】は着実に減少!

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「のら猫」はそもそも【生きる】ことが難かしい

​のら猫の生活は、飢えや寒さ、交通事故、ケガや人間からの虐待、そして病気など苦難の連続です。その結果、飼い猫の平均寿命が14.2歳であるのに対し、のら猫は2.3年と極端に短くなっています。のら猫の多くは、そもそも「生きる」ことが困難なのです。

前述のとおり、TNRを実施すれば「のら猫」は【確実】に減らせます。またそれが、猫の発情期の鳴き声やエサを求めてゴミをあさるといった行為を減少させ、市民生活の質改善にもつながるのです。

花の木シェルターは、【殺処分ゼロ】の先の、【のら猫ゼロ】を目指しています。そこで、名古屋市内にお住まいの皆様には「名古屋のら猫不妊手術補助」をご活用になり、TNRにご協力いただけるよう切にお願いする次第です。

 

また、全国の猫を愛する皆様には、「保護猫譲渡」と「TNR推進」という花の木シェルターの活動にご支援・ご協力を賜れれば大変有難く存じます。

【生まれて来るのら猫ゼロ】は、夢物語ではない。

 

​​【生まれてくるのら猫ゼロ】は、けっして夢物語ではありません。しかし、皆さまのご協力無しには到底実現できません。【生まれてくるのら猫ゼロ】のため、皆さまのTNRへのご協力を重ねてお願い申し上げます。

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