毎年、交通事故で死亡する猫の数は殺処分される猫の約200倍

Eveline de BruinによるPixabayからの画像_edited.jpgの複製

毎年、殺処分される猫の約200倍もの猫が、交通事故のため路上で死亡していることをご存知ですか?

この悲惨な状況を少しでも改善するため私たちにできること、それは【猫の不妊手術】です。では、なぜ不妊手術をすると猫の「路上死」が減るのでしょうか?

昨今、犬猫の「殺処分ゼロ」を目標とする自治体は少なくありません。しかし、猫の「殺処分数 ※1」より【路上死(≒弊獣数)※2】のほうが約200倍(名古屋市令和2年度 ※3)も多いことはほとんど知られていません。

※1:譲渡不可能と判断され殺処分された猫の数です。令和2年度の名古屋市では28頭でした。(これには病気や衰弱などにより収容時又は収容中に死亡した猫は含みません。

※2:弊獣数とは、当局が事故や病気などで死亡した動物の死体を回収した数のことです。令和2年度の名古屋市では5,765頭でした。(猫の場合、交通事故で死ぬものが大部分を占めるため、「弊獣数」ではなく、「路上死」や「交通事故などによる死体の回収頭数」としている自治体もあります。)

 

※3:名古屋市には平成21年度以降の弊獣数の統計が存在しますが、そもそも弊獣数の統計を取っていない、もしくは公表していない自治体も少なくありません。

 

花の木シェルターでは、まず、「のら猫」のうち殺処分される猫はむしろ例外的で、ほとんどの「のら猫」は交通事故により路上で死亡しているという事実を、一人でも多くの方に知っていただきたいと考えています。

のら猫の「路上死」を減らすには?

では、殺処分される猫の約200倍という途方もない数の猫の「路上死」ですが、これらを減らすことなどできるのでしょうか、また、できるとすればどのような方法があるのでしょう?

そこでご覧いただきたいのが、平成25年度以降の名古屋市の【弊獣数】の推移です。平成25年度の8,949頭をピークに徐々に減少しています。

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不妊手術こそ、のら猫の「路上死」削減の鍵

名古屋市の弊獣数が減り続けているのはけっして偶然ではなく、市が長年実施してきた「のら猫」の避妊・去勢手術助成の成果だと思われます。(4)

 

※4:制度には徐々に変更が加えられ、現在は「なごやかキャット助成制度」という名称で、名古屋市民が地域猫やのら猫のTNR活動(「のら猫」を捕獲し、不妊手術を行った上で、元いた場所に戻す取組のこと)を行う場合、実施者の自己負担額が避妊手術(めす)4,000円、去勢手術(おす)2,000円になるよう、市が支援しています。

この制度に基づき、名古屋市・市民・保護猫団体が協力してTNRに取り組んだ結果、不妊手術の実施件数が増加し、【弊獣数】が減少するという良循環が生じました。

 

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なぜ不妊手術でのら猫の「路上死」が減るのか?

​では、なぜ猫の不妊手術により「路上死」が減るのでしょうか? 実は、「路上死」が多い時期は猫の「発情期」と重なっています。

 

これは、発情期になると、オスどうしがメスをめぐってケンカになったり、オスに追われたメスが逃げたり、メスに拒絶されたオスが退散したりと、雌雄共に走って道に飛び出すことが多くなるからだと考えられます。

また、猫には「大きな音や光に敏感」という特徴と、驚いたり強い恐怖を感じると硬直して動けなくなるという習性があるため、思わず飛び出した道の真ん中で、迫り来る車のクラクションやライトに驚き、恐怖で動けなくなってひかれてしまうのです。


その結果、殺処分される猫の200倍もの猫が交通事故により死亡してしまいます。

 

【生まれて来るのら猫ゼロ】は夢物語ではない

従って、不妊手術を実施すれば、発情する猫の数そのものが減るため、発情期に路上死する猫は確実に減少します。また、発情する猫の数が減れば【生まれてくる子猫】の数も自ずと減ることになります。

ただ、猫は繁殖力の強い動物なので、不妊手術のペースが遅ければまた増えてしまい、せっかくの努力が水の泡になりかねません。そのため、現在のように毎年3000~4000頭ずつ不妊手術を行うのではなく、1万3千頭いると推定される名古屋市内の「のら猫」全頭の不妊手術を一挙に実施し、生まれてくる子猫の数を譲渡可能な数(=里親様を探すことができる数)まで減らすこと。それこそが【猫の路上死ゼロ】、そして真の【猫の殺処分ゼロ】を実現する唯一の方法だと花の木シェルターでは考えています。

しかし、そのためには名古屋市の助成対象である4千頭を除く、残り9千頭の不妊手術のための資金(※5と、捕獲のためのスタッフ※6)が必要です。

5:猫1頭当たりの不妊手術費用約1万円(消費税別)、捕獲スタッフの人件費、猫を収容するための施設、収容中の猫の飼養費、全体の管理費等、様々な資金が必要です。


6:花の木シェルターは2021年の1年間に2名のスタッフで226頭のTNRを実施したことから、スタッフ一人当たりのTNR数を約100頭、必要なスタッフ数を約90名と試算しています。

このように、まずは名古屋でのら猫全頭の不妊手術を実施し、成果が確認できれば愛知県、そして日本全国へと広げて、【生まれて来るのら猫ゼロ】の社会を実現すること、それが花の木シェルターのビジョンです。

これは非常に困難な道のりですが、けっして夢物語だとは思いません。しかし、皆さまのご協力無しには到底実現できません。全国の猫を愛する皆様には、【生まれて来るのら猫ゼロ】のため、ご理解とご協力をお願い申し上げます。