猫2頭でお世話2倍を覚悟したのに、1頭よりラクで後悔した話(預かりボランティア紹介)
- 琴森 美香子
- 6月9日
- 読了時間: 6分
更新日:2 日前

テレビで芸人さんの取組みが紹介されたので、ご存じの方も多いと思いますが、保護猫を自宅で預かって新しい家族へとつなぐ、「預かりボランティア」というものがあります。
花の木シェルターでも同様の取組みを行っており、私はすでに、2024年の春夏2回、預かりボランティアを経験していました。そして秋に3回目の預かりを予定していたところ…。
「えっ!2頭ですか?」
電話口で思わず聞き返してしまったのは、打診されたのが、黒猫兄妹、2頭の預かりだったからです。
実は今まで何度も、代表の阪田さんや本館館長の木下さんから、『猫は1頭より、2頭飼ったほうがラクですよ~』と言われてました。でも、正直、「いやいや、2頭いればお世話も2倍でしょ?!」と、全然、信じていませんでした。(笑)
それに、「猫の預かりボランティア」は、単に猫の世話をするだけではありません。
言うまでもなく、シェルターにいるすべての猫は、新しい家族との出会いを待ち続けているわけですが、すぐに家族が見つかる猫と、なかなかみつからない猫がいます。そして、その違いは、猫の「人馴れ度」によるところがとても大きいです。
人馴れした猫は、里親希望の方がケージに近づくと、「にゃ~、にゃ~」鳴いて自らをアピールし、撫でられると喜ぶので、すぐに可愛がられて早々に家族が見つかります。
一方、人馴れしていない猫は、見知らぬ人に触られること自体が不安なので、里親希望者さんが撫でようと手を差し出しても、シャーしたり、逃げたりしてしまいます。
そんな猫も、信頼関係ができれば、本来の優しい姿を見せてくれますが、それには相当時間がかかります。
そこで、預かりボランティアの出番です!
猫が安心して過ごせる空間を用意し、少しずつ触れ合う時間を増やして、臆病な猫が「ヒトってそんなに怖くないんだ⁈」と感じるようにしていきます。そのとき大切なのが「遊び」です。
猫は、遊ぶ楽しさを感じると、「ヒトと一緒にいるのは楽しい!」とポジティブな感情を持ち、遊んでくれる人を好きになります。(一種の錯覚とも言えます。)(笑)
それに、元々、室内飼いの猫は運動量が少なく、体力・筋力が不足しがちなので、遊びを通じて運動できれば、ストレス発散にもなり、一石二鳥!!
でも、猫と遊んでやるには「時間」が必要です。(そして、Time is money. )
猫1頭でも、結構時間を取られて大変だと感じていたので、「2頭だなんて、到底、無理なのでは?!」と、とても心配でした。
ところが、木下さんに、『大丈夫ですよ。今回の猫は兄妹で、大の仲良しですから』と太鼓判を押され(軽くいなされ?)、黒猫兄妹との暮らしが始まりました。
そして、2024年の「秋」にやってきたので、「あきお」と「あきこ」と名付けた2頭は、起きている時も眠っている時もずっと寄り添い、最初は大人しい印象でした。
ところが、3日目に、そろそろ馴れたかなと思ってケージから出した途端、いきなり猛烈な勢いで部屋中を駆け回り始めました!(きっと、欲求不満だったのでしょう。)(笑)
あらゆる隙間に入り込み、すべての高みを登り尽くす間、2頭でずっと、にゃんプロしたり、追っかけ合ったり。たまに、私の匂いを嗅ぎにくるけれど、またすぐじゃれ合いが始まります。

1週間もたつと、2頭は、私が部屋に入るとすぐ、撫でてもらおうと自分から近づいて来るようになりました。でも、少し撫でると満足して、また遊びに戻って行ってしまうのです。その時、ようやく理解できました。
あ~、なるほど。2頭のほうがラク、というのは、こういうこと!
猫は通常、1回の出産で平均3~6匹の子猫を産むため、自然界では兄妹がいるのが普通です。猫1頭のとき大変だったのは、本来、猫の兄妹が務めるべき遊び相手を、人間が代わって務めていたから。でも、猫が2頭いれば、猫どうしで遊ぶので、飼い主が遊び相手を務める必要がありません!
仲の悪い猫どうしだと、遊びがエスカレートして喧嘩になることもありそうですが、「あきお」と「あきこ」は仲良し兄妹なので、たまにケンカをしても、すぐ仲直り👍
私の役目は、身の回りの世話を除けば、2頭が自ら近づいてきた時、撫でたり抱っこしたりしてやるだけ。なので、お世話は、猫1頭の時とは比べ物にならないほどラク!!!
そのことを、しばらくは単純に喜んでいました。でも、時がたち、次第に罪悪感と、深い後悔の念を覚えるようになりました。
「以前、1頭飼いしていた猫たちは、実は独りぼっちで可哀そうだったのではないだろうか? もしも、あの頃から2頭飼いをしていれば、あの子たちは、もっともっともっと、楽しく幸せな猫生を送れたのではないか…?」と。
後悔、先に立たず
特に、最初に飼った猫は、生まれつき両目の眼球が無く、盲目だったため、遊びの種類が非常に限られていました。

なので、今思えばいつも退屈だったはずで、「あの時、もしも一緒に遊んでくれる猫がいれば、もっとずっと幸せに過ごせたのではないか?」、そう考えると、胸が締め付けられるような想いがしました。
でも、仮にこの子のような障害が無い、健康な猫だったとしても、完全室内飼いで1頭飼いの場合、飼い主がいない間、ずっと一人きりで過ごさなければならないわけですから、普通に考えても、相当、退屈なはずです。
ですので、皆さんがいつか、私と同じような深い後悔の念に苛まれずにすむよう、声を大にしてお伝えしたいと思います。
【猫は1頭飼うより、2頭飼ったほうが、ずっとラクです!!!】
もしも、猫のお世話が大変そうだから、とか、時間が余計にかかりそうだから、という理由で多頭飼いを躊躇しておられるのであれば、猫の遊び相手をする時間も、お世話時間に加えて考え直してみてください。遊び時間が減れば、トータルでのお世話時間は激減すると思います。
そして、これが最も大切なことですが、おそらく猫も、仲の良い猫どうしであれば、1頭より2頭のほうが、毎日をずっとずっと楽しく暮らせるはずです。
(注:もちろん猫にも相性があります。相性が悪ければ、多頭飼いがストレスになる場合もありますので、必ずトライアルにて相性をお確かめください。花の木シェルターのトライアル期間は、最長3週間まで延長可能です。)
もしも、いきなり多頭飼いするのは、やはり不安が大きいという方(私自身も相当不安だったので、きっとそういう方は多いと思います)は、ぜひ、上記でご案内した【預かりボランティア】をご検討ください。
花の木シェルターでは、お預かりの中に「預かりショートステイ」という種類を設けています。これは、1歳前後の猫をご自宅でお預かりいただき、その子の個性や魅力をSNSで発信し、里親サマを探していただくボランティアさんで、預かり期間は最長1年です。
これなら、里親サマがみつかるまでの限定的な預りですので、初めて多頭飼育いにチャレンジされる方にもピッタリだと思います。
もちろん、最初は「預かり」という形で迎えていただいても、やはりお家の子としてお迎えしたいと思われたなら、途中で正式譲渡とすることも可能です。💖
また、今まで一度も猫を飼ったことがないという猫初心者の方や、60歳以上の方、単身の方も大歓迎ですので、ご関心をお持ちの方は、ぜひ一度、本館までお電話(052-710-5973)いただくか、お問合せフォームより、ご連絡ください。
お待ちしています!!!

初回投稿 2024年12月
2025年6月 預かりについて加筆
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