おチンチンがない⁉ 猫の性別が分かりにくい理由
- 琴森 美香子
- 7月7日
- 読了時間: 3分
更新日:7月11日
猫を保護したときや、譲渡をご検討いただく際、「この子はオスですか? メスですか?」と、よく聞かれます。
そんな時、まだ不明なんですとお伝えすると、「えっ!?性別が分からないんですか?」と、驚かれることもしばしばです。
でも、特に子猫の場合、性別を判断できないケースは、意外に多いんです。
今回は、なぜ猫の性別がすぐに分からないのか、そして、いつ頃、はっきりするのかをご案内します。

🧑⚕️そもそも、なぜそんなに分かりにくいの?
猫の性別が分かりにくい最大の理由は、オス猫の陰茎(いわゆるおチンチン)が、皮膚の中に隠れる構造になっており、体の外に出ていないことが挙げられます。
つまり、オスでもメスでも、外見上は、ほとんど違いがないのです。
そこで、性別を判断する手がかりとなるのが、肛門と陰茎のあいだにある「陰嚢(いんのう)」= 睾丸(こうがん)を包む袋、です。
「陰嚢」は、成長とともに、ふたつの小さな「ふくらみ」となって、ようやくオス猫の特徴が、外見から分かるようになります。
しかし、このふくらみが確認できるのは、早くても生後2〜3か月頃から。
それまでは、オスかメスかを確実に見分けるのはとても難しいのです。
🔍 ポイントは「肛門と生殖器の位置」
子猫の性別は、主に「肛門」と「生殖器」の位置関係から判断します。
お尻の下を見た時、肛門はすぐに分かると思いますが、その下に、もうひとつ穴が見えます。それが生殖器です。
● オスの場合 肛門と生殖器のあいだに少し距離があり、将来的にはその間にふくらみ(=陰嚢)が確認できるようになります。幼いうちは、ふたつの丸い穴⚪が上下に並んで見えることが多いです。
● メスの場合 肛門のすぐ下に縦長の生殖器があり、ふたつの穴⚪が近接していて、点●と線|が縦に並んでいるように見えます。
とはいえ、生後2カ月未満の子猫は、性器まわりが未発達なため、このような外見だけでの判断は、なかなか難しいのです。
📋 シェルターでの対応について
こうした理由から、花の木シェルターでは、性別がはっきりと確認できない子猫については、
「仮」の性別として記載する
状況に応じて「不明」とする
といった対応を取っています。
これは、後から「性別が変わる」ことによる混乱を防ぎ、安心してお迎えしていただくための工夫です。
🐱 性別を知ることが大切な理由
猫の譲渡を希望される方の中には、「性別はどちらでも構いません」とおっしゃる方もおられる一方で、「できれば男の子がいい」とか、「先住猫がオスなので、メスのほうが」といったご希望をお持ちの方も少なくありません。
そのため、花の木シェルターでは、性別を安易に決めつけず、慎重に判断するようにしています。
🐈⬛ 成長を待って、正確に
性別は、生後数週間〜数か月のうちに自然と分かってきます。
「性別未確定」とお伝えしている子猫も、日々、ぐんぐん成長しており、確定し次第、順次ご案内させていただいています。
どうか、焦らず、ゆっくり。
大きくなっていく子猫たちの変化を、温かく見守っていただければ幸いです🌱

2025年7月7日
