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猫が人馴れする・しないは「性格」による?

  • 執筆者の写真: 琴森 美香子
    琴森 美香子
  • 4 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:1 日前

人馴れしにくい猫たちの【共通点】

シェルターには、保護されてから何年たっても人馴れせず、近づくと逃げてしまう猫たちがいます😿


こうした子は、一度もトライアル(おうちの子として迎えてもらえるかどうかのお試し)のお声すらかからず、シェルターで一生を終えることも少なくありません…💔

怖がりでよく脱走するけど悪さはしないシャム猫「ゾム」(3c928)
怖がりでよく脱走するけど悪さはしないシャム猫「ゾム」(3c928)

もちろん、猫も人間と同じく“十猫十色”🐈‍⬛🐈なので、甘えん坊の子もいれば、人見知りの子もいるのは当然、と思われるかもしれません。


しかし、実は「人馴れしにくい猫」たちの多くには、ある【共通点🔍】があるのです。


それは、保護された時期が生後3か月を過ぎていた、という点です。

では、なぜ“3か月⏰”なのでしょうか?


今回は、猫が人や環境に慣れるうえで重要な「社会化🧠」そしてそのカギとなる「社会化期」についてまとめました。

 

⏳ 猫生を左右する「社会化期」

 

社会化期とは、猫に限らず、人間を含む多くの動物が、“他者と関わる力”を養う大切な時期です。


猫の場合、生後約2週目から9週目までの間が、この「社会化期」にあたると言われています。この時期に子猫は、


  • 何が「安全」で

  • 何が「危険」で

  • 誰が「信頼できる存在」なのか


という、“生きていくうえでの知恵”を、体験から学んでいきます。


🧠 猫の「社会化」3つの側面


猫の「社会化」には、大きく分けて、


  1. 猫同士の社会化

  2. 人との社会化 

  3. 音や環境への社会化


という3つの側面があります。


1.猫同士の社会化


まず、「猫同士の社会化」とは、母猫やきょうだい猫とのかかわりを通して、噛みつきの加減・しつこさの限度・追いかけっこのルールなどを身につけることを言います。


これらを、遊びを通して自然と学んだ猫は、その後も他の猫とのトラブルが起きにくく、多頭飼育にもなじみやすくなります。


ところが、早くに母猫と離されたり、兄弟姉妹がおらず、ひとりきりで育った猫は、他猫とどう接していいか分からないため、過剰に攻撃的だったり、逆に、極端に怖がりになったりしがちです。


2.人との社会化


「人との社会化」とは、社会化期に人に触れられたり、声をかけられたりすることで、「人間=怖くない」と理解することを言います。


社会化期に人との接点があった猫は、人間を「信頼できる相手」として受け入れる準備が整います👌。


逆に、野良猫として育った期間が長く、「社会化期」に人との触れあいがないまま成長した猫は、人間を「危険な存在💢」と感じるようになるのです。


3.音や環境への社会化


猫は、繊細な動物です。掃除機の音、玄関のチャイム、来客の足音など、人にとっては何気ない日常音が、猫には強いストレスになります。


そこで、社会化期の子猫に、 


  • まず、逃げ込めたり、隠れたりする場所(高い所・箱・カーテン裏など)を用意

  • 静かな時間を確保しつつ、少しずつ音に慣れさせる

  • 怖いことがあった後は、優しい声かけや、おやつでフォロー


といった経験をさせ、音や環境への社会化ができれば、猫も人も、とても暮らしやすくなります。


💎 猫の社会化期は、宝石のような時間 🐾


このように、生後2〜9週という、わずか8週間ほどの「社会化期」は、猫🐱同士の関係を築くためにも、人🧍‍♀️と安心して暮らしていくためにも欠かせない、まさに💎珠玉の時間🕰️と言えます。


人馴れしない猫の多くに、保護された時期が生後3か月を過ぎていた、という共通点が見られるのは、まさに社会化期に「人との社会化」が不十分だった影響が大きいと考えられます。


🐈「人馴れ」できないのは、人との社会化の不足だけが原因?

 

では、猫がなかなか人に懐かないのは、「人との社会化」の不足だけが原因なのでしょうか? 実は、必ずしもそうとは言えません。


シェルターという、“特殊な環境”が関係している可能性もあるのです。

 

たとえば、母猫やきょうだい猫がおらず、ひとりで生きてきたような猫は、「猫同士の社会化」が不足しているので、トイレ・食事・寝場所のすべてを他の猫と共有しなければならないシェルター生活は、それだけでストレス🙀。


また、「音や環境への社会化」が不十分だった猫にとっては、毎日の掃除機の音や、来館者があるたびに鳴るドアホンの音なども、不安の原因となります。


そうした日々の緊張感に脅かされている猫は、人との関係を築く”心の余裕”を持てないのです。(ストレスが多い生活を送っていると、心に余裕が持てないのは、人も同じですね。)


💡人との社会化のための5つのポイント


では、「社会化期」に人との関わりを持てなかった猫や、シェルターに馴染めないような猫とは、信頼関係を築くことはできないのでしょうか?🤔


いえいえ、決してそんなことはありません! ただ、猫と向き合うにあたり、ある種の配慮と心構えは必要です。ポイントは以下の5つ。


① 静かな声・ゆっくりした動作を心がける

猫は、大きな音や急な動きをとても警戒します。話しかけるときは、やわらかく穏やかな声で。動きはスローモーションを意識しゆっくりと。


② まずは「見るだけ」、そして「話しかける」

人馴れしていない猫にとって、触られるのは恐怖🙀です。まずは猫のそばに静かに座り、優しく語りかけることから始めましょう。


③ おやつで「人といるといいことがある」と思わせる

猫にとって、“おいしいもの”は最強のポジティブ体験!人からおやつをもらうことで、「この人=いいこと」と連想できるようになります。


④ 遊びで「人と一緒は楽しい!」と感じさせる

猫じゃらしやおもちゃで一緒に遊ぶ時間は、ヒトへの印象を「楽しい存在🥳」へと変える絶好のチャンス🎉 自然と距離が縮まります。


⑤ 抱っこや接触は、猫のペースに任せる

嫌がる猫を無理に抱き上げるのは逆効果🚫。猫が自分から近づいてくるまで、焦らず、気長に見守ってあげてください。


いかがでしょう?「えっ、たったこれだけ?」と思われましたか? 実は、そうなんです!


特別な知識も努力も必要ありません。猫が、「この人は安全だ🌱」と感じられるよう、思いやりをもって接するだけ。それこそが、信頼関係を築く第一歩なのです。

 

😿本当は甘えたい💖


今は人馴れしていない猫でも、安心できるおうち🏠で、ゆっくりヒトとの時間を重ねていければ、きっと心を開き、本来の甘えん坊で優しい一面を見せてくれるはずです。


どうか、怖がりな子のペースに寄り添い、信じて待ってあげてください。


そうして築かれた信頼関係は、何ものにも代えがたい絆となり、あなたの毎日に、豊かで穏やかな彩りをもたらしてくれるでしょう✨

怖がりだけど遊び方控えめで賢い「ボア」ちゃん (19c131) 集合住宅も安心
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2025年7月5日

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