FIV陽性でも、フツウに暮らせます!
- 琴森 美香子
- 6月25日
- 読了時間: 4分
更新日:5 日前
🌸 花の木シェルターでは、現在14頭のFIV陽性の猫が元気に暮らしています。
先日公開したブログ記事、📘3歳以上とキャリア猫が半数に。11年目の課題でもご紹介したとおり、FIV(猫免疫不全ウイルス)には、今でも、「短命」「うつる」「飼えない」といった誤解が根強く残っています。
そこで今回は、📚FIV陽性の猫との向き合い方を改めてご紹介いたします。「FIV陽性だから…」とご縁をあきらめる前に、少しだけ、知っていただけたら嬉しいです。💕
🔍 そもそもFIVって?
FIV(feline immunodeficiency virus=猫免疫不全ウイルス)は、猫免疫不全ウイルス感染症 を引き起こすウイルスです。
※「猫免疫不全症候群」とも呼ばれますが、「感染症」がより正確です。
💡人のエイズ(AIDS)とは別物
FIVは、俗に「猫エイズ」とも呼ばれていますが、これはあくま通称(俗称)。FIV感染症と、人のエイズ(AIDS)は別物です。
ただ、FIVもHIVも、同じ🧬レトロウイルス科レンチウイルス属(Lentivirus)に属しており、どちらも免疫力を低下させることから、猫エイズと呼ばれるようになったものと推測されます。
🔍 FIV陽性だとどうなるの?
FIVは、「猫免疫不全ウイルス感染症」を引き起こしますが、
❌ 感染 = 発症ではありませんし、
❌ FIV陽性 = 病気、でもなく、あくまで「発症の可能性がある状態」です。
英米の動物病院や大学の調査では、FIV陽性と診断された猫の50〜75%が、生涯、明らかな症状を出すことなく過ごすと報告されています。
また、最近では、完全室内飼育でストレスの少ない環境で飼育すれば、FIV陽性の猫も陰性の猫も、平均寿命に大きな差はない、という報告も出ています。🌱
💊 FIVの治療について
ただ、現在の医療では、一度FIVに感染すると、🧬ウイルスを完全に体から排除することはできません。抗ウイルス薬は存在しますが、💉効果や副作用の点から、一般的な治療には用いられていないからです。
🏠 FIV陽性猫と暮らすには?
では、FIV陽性の猫と暮らすとき、どんなことに気をつければ良いのでしょう?
🐈 単頭飼育の場合
FIVの主な感染経路は、猫どうしの喧嘩による咬傷です。そのため、完全室内飼育なら、
🩺定期的な健康チェック
🛏️ストレスの少ない落ち着いた環境
🍽️清潔な食器と🚽トイレまわりの管理
といった基本的な配慮をしていただければ、他の猫と変わらず、安心して暮らすことができます。
🐈🐈 多頭飼育の場合
FIVは、感染猫の唾液や血液中に多く含まれているため、🛑激しい咬傷は感染の原因になります。
従って、多頭飼いで最も注意すべきことは、流血を伴うケンカです。
逆に言えば…
✅ グルーミング(舐め合い)
✅ 食器の共有
✅ 日常的なふれあい
などで、FIVが感染する可能性は極めてまれです。仲の良い猫同士🐈🐈 なら、単頭飼育と同程度の配慮で一緒に暮らすことが可能です。💖
🩹保険はかけられる?
アニコム損保には、発症前および無症状のFIV陽性猫が、加入可能な保険があります。
保険加入後にFIVが発症した場合、それ以降の「FIV発症に関わる治療」は補償対象外になりますが、そのほかの病気やケガ(外傷、消化器疾患、皮膚疾患など)については、通常どおり補償されます。
🌼多くのFIV陽性猫たちは、無症状のまま穏やかに暮らしていますが、もしも将来、口内炎や歯肉炎などの症状が見られた場合には、それぞれの症状に合わせた治療をお願いします。
🧬FIV陽性の子にもチャンスを!
花の木シェルターで暮らす14頭のFIV陽性猫たちは、どの子も“元気”に、“穏やか”な毎日を生きています。🌱
それなのに、「🧬FIV陽性」というだけで、温かい“ずっとのおうち🏠”を知らないまま、シェルターで一生を終えなければならないとしたら、こんなに悲しいことはありません。
どうか、この子たちにもチャンス✨を与えてあげてください!🙏
“FIV”という言葉にとらわれることなく、目の前の猫🐱そのものを、見つめていただけたら嬉しいです。
新たな理解が、ひとつの命を照らします。
この子たち🐾にも、明るい未来がありますように…。🫶
2026年6月25日
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